自動ドアの点検・修理
法律で定められた点検義務はありませんが、通行者が直接触れる可動設備であり、挟まれや衝突の事故が起きています。業界団体は年1回以上の定期点検を推奨しています。また、故障して開かなくなると営業そのものが止まるため、実務上は保守契約を結ぶ建物が多い設備です。
現場での呼び方:自動ドア / オートドア / センサードア
点検の義務と頻度
自動ドアそのものに、法律で定められた定期点検の義務はありません。 ただし通行や作業の安全に関わる可動設備であり、故障が業務の停止に直結するため、 定期的な点検と保守契約が一般的です。
同じ建物にある消防用設備や防火設備には、別途、法定点検の義務があります。 あわせて確認することをおすすめします。
自動ドアを構成する機器
どの部分が不調なのかを伝えられると、見積もりの精度が上がります。
| 機器 | 役割 |
|---|---|
| 起動センサー | 人の接近を検知して開く。光電式・マイクロ波式などがある |
| 補助光電センサー | ドアの間に人がいることを検知し、閉じ動作を止める |
| 駆動装置(エンジン) | モーターとベルトで扉を開閉する |
| 無目(むめ) | 駆動装置とセンサーを収める、扉の上の横長のケース |
| 戸車・レール | 扉を支えて滑らせる。摩耗すると異音と重さの原因になる |
| 制御装置 | 開閉速度、開いている時間などを設定する |
点検で確認する項目
センサー
- 起動センサーの検知範囲
- 補助光電センサーの作動
- 検知漏れの有無
- 近くの掲示物や什器による誤検知
開閉動作
- 開閉速度
- 全開・全閉の位置
- 開いている時間
- 異音・振動
安全機能
- 挟み込み時の反転動作
- 停電時の手動開放
- 戸尻側の隙間
機械部
- ベルトの張りと摩耗
- 戸車の摩耗
- レール内の異物と汚れ
- 吊り込みの調整
よくある不具合と対応
| 症状 | 考えられる原因 | 対応 |
|---|---|---|
| 人が近づいても開かない | センサーの汚れ、検知範囲のずれ、経年による感度低下 | 清掃と検知範囲の再調整を行います。改善しなければセンサーを交換します |
| 誰もいないのに開閉を繰り返す | のぼり旗や植栽の揺れ、雨、掲示物の反射による誤検知 | 検知範囲の調整と、誤検知の原因になる物の移動を行います。電気代と機械の摩耗にも影響します |
| 閉まるときに人へ当たる | 補助光電センサーの故障または未設置 | 早急に点検します。挟まれ事故に直結します |
| 開閉時に異音がする、動きが重い | 戸車の摩耗、レール内の砂やゴミ、ベルトの伸び | 清掃と部品交換を行います。放置すると駆動装置本体の故障につながります |
| 停電したら開かなくなった | 手動開放の機構が無い、または固着している | 非常時の開放方法を確認し、必要なら改修します |
交換・更新の目安
点検で不良と判定される前に、計画的に交換したほうが結果的に安く済むことが多い部分です。
| 部位 | 目安 |
|---|---|
| 戸車 | おおむね3〜5年。通行量の多い店舗ではより早く摩耗します |
| ベルト | おおむね5〜7年 |
| センサー | おおむね7〜10年 |
| 駆動装置一式 | おおむね10〜15年。部品供給が終わると修理できなくなります |
記載の年数はメーカーや設置環境によって変わる一般的な目安です。実際の判断は点検結果にもとづきます。
費用が変わる要因
- ドアの台数と通行量
- 保守契約(定期点検込み)か、都度の修理依頼か
- センサーや駆動装置の交換が必要かどうか
- 営業時間外の作業を求めるかどうか
- 故障時の駆けつけ時間をどこまで求めるか
実際に提示された見積金額から集計した相場は、 費用相場のページで公開しています。
よくある質問
Q. 点検は法律上の義務ですか
A. 自動ドア単体に法定点検の義務はありません。ただし通行者の安全に直結する可動設備であり、業界団体は年1回以上の定期点検を推奨しています。
Q. 保守契約は結んだほうがよいですか
A. 店舗など、開かないと営業が止まる建物では契約する例が多くなっています。定期点検に加えて、故障時の優先対応が受けられるのが主な利点です。
Q. メーカーが分からなくても点検できますか
A. 多くの業者は他社製も対応します。ただし部品交換が必要な場合、メーカー純正部品の入手可否で対応が変わることがあります。無目に貼られた銘板で確認できます。
