誘導灯・誘導標識の点検・修理
停電や煙のなかでも避難口の位置と方向を示す設備です。常時点灯しているため消耗が早く、球切れや内蔵バッテリーの劣化が起きやすい設備でもあります。点灯していても、停電時に20分(または60分)点いていなければ役目を果たしません。
現場での呼び方:誘導灯 / 非常口の緑のランプ / 避難口誘導灯 / 通路誘導灯
点検の義務と頻度
- 根拠
- 消防法第17条の3の3
- 点検の頻度
- 機器点検:6か月に1回総合点検:1年に1回
- 報告
- 特定防火対象物(飲食店・物販店・ホテル・病院など不特定多数が出入りする建物)は1年に1回、非特定防火対象物(事務所・工場・倉庫など)は3年に1回、消防長または消防署長へ報告します。
- 点検する人
- 延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物などは、消防設備士または消防設備点検資格者による点検が必要です。それ以外は関係者による点検も認められていますが、試験器具と報告書の作成が必要になります。
点検の頻度や報告の要否は、建物の用途・規模・収容人員によって変わります。実際の適用は所轄の消防署、または点検業者にご確認ください。
誘導灯・誘導標識を構成する機器
どの部分が不調なのかを伝えられると、見積もりの精度が上がります。
| 機器 | 役割 |
|---|---|
| 避難口誘導灯 | 非常口そのものの位置を示す。緑地に白のピクトグラム |
| 通路誘導灯 | 避難口までの方向を示す。矢印付き |
| 客席誘導灯 | 劇場や映画館の客席通路の床面を照らす |
| 内蔵蓄電池 | 停電時に点灯を維持する。20分間、大規模建物では60分間が必要 |
| 誘導標識 | 電源を持たない蓄光式や反射式の標識 |
点検で確認する項目
外観
- 点灯の有無
- 表示面の汚れ・変色・破損
- 見通しを妨げる障害物
- 設置位置と避難経路の一致
非常電源
- 点検スイッチによる停電時点灯の確認
- 規定時間(20分または60分)の点灯保持
- 充電ランプの点灯
誘導標識
- 蓄光性能の劣化
- 剥がれ・汚れ
よくある不具合と対応
| 症状 | 考えられる原因 | 対応 |
|---|---|---|
| 点検スイッチを引くとすぐ消える | 内蔵蓄電池の劣化 | バッテリーを交換します。表面が点灯していても、停電時に点かなければ意味がありません |
| 表示面が白っぽく変色している | 紫外線と経年による退色 | 視認性が落ちるため本体を交換します |
| 看板や什器で隠れている | レイアウト変更、後付けの掲示物 | 移設するか、遮っている物を撤去します |
| 改装後、避難経路と矢印が合っていない | 間仕切り変更で通路が変わった | 誘導灯の向きの変更や移設が必要です |
交換・更新の目安
点検で不良と判定される前に、計画的に交換したほうが結果的に安く済むことが多い部分です。
| 部位 | 目安 |
|---|---|
| 内蔵蓄電池 | おおむね4〜6年。本体より先に寿命が来るため、点検のたびに確認します |
| 本体 | おおむね8〜10年。旧型の蛍光灯式はLED式へ更新すると消費電力とランプ交換の手間が減ります |
記載の年数はメーカーや設置環境によって変わる一般的な目安です。実際の判断は点検結果にもとづきます。
費用が変わる要因
- 設置台数
- バッテリー交換が必要な台数
- LED化を同時に行うかどうか
- 天井が高い場所での作業(高所作業車や足場の要否)
実際に提示された見積金額から集計した相場は、 費用相場のページで公開しています。
よくある質問
Q. LEDに替えると点検は不要になりますか
A. 不要にはなりません。LED式でも非常電源の点検は必要です。ただしランプ交換の頻度は大きく減ります。
Q. 常時消灯できる誘導灯があると聞きました
A. 一定の条件を満たす場所では、人がいないときに消灯できるタイプも認められています。適用できるかは用途と構造によるため、業者に確認してください。
Q. 点検で20分間ずっと待つのですか
A. 規定時間の点灯保持を確認するため、その時間は必要になります。台数が多い場合は並行して確認します。
